あなたの仕事が劇的に変わる!? チャットAI使いこなし最前線 参加メモ&実際に使ってみたレポート
こんにちは、フラッグ広報室のタカバシです。
先日、note 主催のイベント「あなたの仕事が劇的に変わる!? チャットAI使いこなし最前線」に参加しました。チャットAIの黎明期から研究・活用している印象のある note CXOの深津さんが語る、ということでとても楽しみにしていたイベントでした。今回も気になってメモしていたこと等を書いてみたいと思います。
イベントは、ChatGPT の本質に切り込むところから始まりました。
ChatGPTの仕組み
「手前の文に確率的にありそうな続きの文字をどんどんつなげていくAI」ということで、「あるある」を言う機械、という認識をしました。
深津さんが例に挙げていたのは…
「むかしむかしあるところに…」といえば「おじいさんとおばあさんが…」
「機動戦士…」といえば「ガンダム」
などでした。
たしかにChatGPTに質問すると、質問をオウム返ししてから回答する印象です。で、これは僕の英語習得法に近いな、なんて思いました。英単語や文法から学習するのではなく、フレーズや流れで英会話を覚えていくもので、一時期話題になったスピードラーニングもおそらくはそういうものじゃないかと思います。
2023年2月10日現在のChatGPTは、2021年までにインターネットで学習した5兆語くらいの言葉からできているそうで、2021年時点のインターネット上の情報のありそうなことを答えてくれるAIと理解しました。
つまり、インターネットにある大多数(正確には、出会う確率の高い)の意見や認識を探るのに使えると思いました。2021年時点のものにはなりますけども。
ニコラス・ケイジについて調べてみよう
フラッグは3月24日(金)から公開される映画『マッシブ・タレント』の配給を担当しています。
主演はニコラス・ケイジなんですが、彼や彼の映画のイメージってどんなものなのか、どんなプロモーションをすればいいのか、参考になるかもということで、ChatGPTを使ってみることにしました。個人的にニコラス・ケイジは「いつも面倒に巻き込まれて、困っている」イメージです。
質問:多くの人が考えるニコラス・ケイジのイメージはどんなものですか?
「Nicholas Cageは俳優として知られていますが、彼は多くの人によって異なったイメージがあります。一部の人は彼を優れた俳優として評価していますが、他の人は彼の映画選択に対して批判的です。また、彼のエキセントリックなパフォーマンススタイルも一部の人には人気がありますが、他の人には好ましくないと感じる人もいます。全体的に言えば、彼は複雑なイメージを持つ俳優とされています。」
わかるようなわからないような…
英語で命令しよう
イベントで深津さんがおっしゃってたコツのひとつに「英語で命令しよう」というものがありました。ChatGPTはだいたい英語から学習しているので、日本語で命令して日本語で答えを出させるより、英語で命令して、その答えをDeepL等で翻訳した方が良いとのことでした。深津さんのイメージ的には、中学生と大学生くらい頭の良さが違うと。
これはこの後、社会問題になるかもという示唆も… 英語が理解できる人はAIから低コストで良質の答えを得られるけど、英語が理解できない(例えば日本語だけの)場合には、翻訳などのコストがかかるし、質の低い相棒がつくことになる、と。今のAIが続いた場合という前提ではありますが、AIで人の生産性にレバレッジがつけばつくほど、英語が有利になりそうです。
閑話休題。
ニコラス・ケイジについて英語で聞いてみました。
その答えを翻訳してみると…
「ニコラス・ケイジは俳優として知られているが、彼のイメージは多くの人によって異なって受け止められている。彼を才能ある俳優と見る人もいれば、彼の映画のチョイスに批判的な人もいる。さらに、彼のエキセントリックな演技スタイルは、ある人には人気があるが、ある人にはそうでもない。全体として、彼は複雑なイメージを持つ俳優であると考えられている。」
内容は変わらず、翻訳の質が変わった印象でした。ただ、回答までの時間はかなり早くなりました。
続いて…
質問:ニコラス・ケイジ主演の映画は、多くの人にとってどのようなものなのでしょうか? 作品に対して肯定的なのか否定的なのか、またイメージ的にどのようなジャンルに属するのかを知りたいです。
対する回答は…
「ニコラス・ケイジ主演の映画は人それぞれの意見がありますが、アクションやアドベンチャー、ドラマといったジャンルのものが多いと言われています。代表的な映画には「ナショナル・トレジャー」や「コン・エア」、「ザ・ロック」などがあります。これらの映画は、エネルギッシュでスピード感あるアクションやアドベンチャーが特長です。
一方、彼の作品に対する意見は賛否両論です。エネルギッシュで時に大げさな演技を楽しむ人もいれば、大げさすぎたり、気が散ったりする役もあると感じる人もいる。また、彼が映画の選択に失敗したと感じる人もいれば、役柄にエネルギーと激しさをもたらす才能ある多才な俳優であると信じる人もいます。
結論として、ニコラス・ケイジ主演の映画は個人の趣味によって異なりますので、彼の作品に対する意見は個人の好みによって異なります。」
納得の答えでした。
実際の業務に使えるの?
最後にこんなことも聞いてみました。
質問:ニコラス・ケイジの主演映画をZ世代の人たちに映画館で観てもらうためのプロモーションプランを考えてください。予算に応じて、いくつかのプランを提案してほしいです。
そうすると、すごいボリュームの回答が来ました。以下が翻訳後のテキストになります。
「ニコラス・ケイジ主演の映画で、Z世代の若者に訴求するためのプロモーションプランを、予算別に3つご紹介します。
低予算プラン(1万ドル以下)
ソーシャルメディア・マーケティング。TikTok、Instagram、Twitterなどの人気ソーシャルメディアプラットフォームを活用し、映画に関する話題を作りましょう。映画のショートムービーや舞台裏を紹介したり、映画に関連したクイズなどを作成するのもよいでしょう。
インフルエンサーマーケティング。ソーシャルメディア上で人気のあるインフルエンサー、特に若者に人気のあるインフルエンサーと提携し、映画の宣伝を行ってください。インフルエンサーにスポンサー付きコンテンツを作成してもらったり、ソーシャルメディアのテイクオーバーに参加してもらったりすることも可能です。
映画の予告編の公開 YouTubeなどの動画共有プラットフォームで映画の予告編を公開し、映画への興味と興奮を喚起します。視聴者には、友人やフォロワーに予告編をシェアするよう呼びかけます。
中級予算プラン(1万ドル〜5万ドル)
イベントマーケティング。主要都市で一般公開の映画プレミアイベントを開催し、ソーシャルメディアのインフルエンサーやセレブリティ、若者を招待する。レッドカーペット、キャストとのQ&A、映画の上映会などが考えられます。
インタラクティブ・マーケティング。映画に関連した拡張現実の借り物競争やバーチャル・リアリティ体験など、映画を見に来た人向けのインタラクティブな体験を作りましょう。映画館や専用アプリで提供することも可能です。
映画サウンドトラックのリリース。映画のサウンドトラックを人気の音楽ストリーミングプラットフォームで配信し、新進気鋭のアーティストと組んで、一部の楽曲のミュージックビデオを制作します。アーティストのファンである若者の間で、映画への関心が高まる可能性があります。
高予算プラン(5万ドル以上)
テレビ広告。人気のある番組やイベントの開催時に、若者をターゲットにしたテレビ広告キャンペーンを実施する。アクションやユーモア、サスペンスなど、映画の魅力を伝える30秒スポットや長尺の広告を掲載することができます。
セレブリティの推薦。人気のあるセレブ、特に若者に人気のあるセレブと組んで、映画のプロモーションを行う。トークショーへの出演、インタビュー、ソーシャルメディアへの投稿などが考えられます。
ポップアップ・エクスペリエンス。若者が映画の世界に浸れるようなポップアップを主要都市で開催する。インタラクティブな展示、写真撮影、映画のアクションシーンのライブ実演などが考えられます。
オンライン・コンテスト。トリビアや創作コンテストなど、映画に関連したオンラインコンテストを実施する。映画グッズやプレミアイベントのチケットなどの賞品を提供することで、若者の関心を集め、興奮させることができます。
これらは、ジェネレーションZの若者にニコラス・ケイジ主演の映画に興味を持ってもらうためのプロモーションプランの一例です。具体的な戦略は、予算、ターゲット層、マーケティング・キャンペーンの全体的な目標によって異なります。」
まあ、実際にそのまま使えるものではありませんが、これを基に膨らましていくベースとしてはいいかもしれないと思いました。
ChatGPTをさらに活かすための呪文
ChatGPTの回答の精度を上げるための「深津式汎用プロンプト」(こんな風にやりとりするといいよ、という操作方法)についてもお話がありました。
その中でなるほどと思ったのが「質問してね」とChatGPTに伝えることでした。
「このタスクで最高の結果を出すために、もっと情報が必要な場合はどんどん質問してください。」
この一文を入れることで回答の範囲を一緒に狭めていき、質を上げていこうというものです。これはAIだけではなく、人とのコミュニケーションでもかなり重要ですよね。
想像力を使ってAIを動かし、創造のサポートをしてもらう
Google や Microsoft のAIもありますし、状況はどんどん変わっていくと思いますが、いずれにしても想像力を駆使すること、そして「まずは試す、遊ぶ」ことをサボらないようにせねばと思いました。
最後に、ChatGPTからの小粋なジョークで締めさせていただきます。
「なぜ人工知能が道を渡ろうとしたのか? インターネットの向こう側に移動して自分自身をアップグレードするためだ。」
やっぱりAIがアップグレードする未来が我々の「あるある」なようです。
それでは、また。